1.入試といえば・・・
2.1年生からのスタート
3.Überraschung!
4.波乱の予備進級試験
5.初めてのオーケストラとの共演 前編
6.初めてのオーケストラとの共演 後編
7.Vordiplom(進級試験)
8.白井光子&ハルトムート・ヘル マスタークラス
9.Hauptstudium(専門課程)
10.突然の代役
11.ヴェルディ・ガラコンサート
12.第12回チャイコフスキー国際コンクール in モスクワ(1)
13.第12回チャイコフスキー国際コンクール in モスクワ(2)
14.第12回チャイコフスキー国際コンクール in モスクワ(3)
15.第12回チャイコフスキー国際コンクール in モスクワ(4)
16.第12回チャイコフスキー国際コンクール in モスクワ(最終回)
17.初リサイタル in レバノン
18.バーンスタイン作曲 交響曲第3番『カディッシュ』
19.オペラで王様役に挑戦!
20.モーツァルト作曲 オペラ『後宮からの誘拐』
21.ベルリン・コーミッシェオーパーでのモノローグオペラ
22.(最終回)Diplomkonzert 卒業試験コンサート11.ヴェルディ・ガラコンサート
2001年 6月相変わらず、毎日授業とレッスン+椎間板ヘルニアの治療で通院の日々。
そんな中、「6月21日にWeimarhalleというワイマールに新しく出来た大きなホールで、音大オーケストラがヴェルディ・ガラコンサートを開催するので、そのソリストオーディションをします。」という張り紙が声楽科の校舎の掲示板に張り出されました。
ヴェルディのオペラのアリア(デュエット)ならなんでもOKというオーディションで、私も受けてみようと思い、歌の先生に相談したところ、先生曰く
「幸子だったらジルダのアリア“Caro nome”がいいけれど、ほとんどのソプラノの学生がオーディションでこのアリアを歌うだろうし、私はオーディションで審査員ではないし、指揮者の先生とのコンタクトもない、その上@@先生(オーディションでの審査員の一人)の門下生もこのアリアを歌うだろうから、幸子がいくらうまく歌えたとしてもチャンスはないと思うわ。でも折角オーケストラと歌えるチャンスだから、幸子には是非オーディションに受かってもらいたいから、違うアリアでオーディションを受けなさい。」
と、私の先生には珍しく(?)作戦を練ってくださいました(笑)。
(先生は、ほんっとまがった事が大嫌いで、とにかくまっすぐな性格の方なので)
そしてオーディション当日。
私の歌の先生の予想通り、ジルダのアリア“caro nome"を歌う人がかなりいて、「やめといてよかった。」と思いました(笑)。
ようやく私の歌う番になり舞台に上がり、今思えば私の声には重過ぎると思われる「ルイザ・ミラー」からルイザのアリアと「アッティラ」からオダベッラのアリアを歌いました(汗)。
すると審査員の指揮者の先生から
「はい。ありがとう。よかったですよ。ところで、ジルダのアリア“caro nome”を歌える?」
と、質問され、
私:「はぁ。一応歌えますけど・・・・・。」
指揮者:「じゃあ、"caro nome"歌って!」
私:「ええええぇぇぇ。」
急遽、(っていうか結局)"caro nome"を歌う事になり・・・・
どんな風に歌ったかは全然覚えてませんが(きっと大汗かいてへろへろだったと思います(爆))、とりあえず歌い終えて、再び指揮者の先生が
「はい。どうもありがとう。では、あなたがヴェルディ・ガラコンサートでジルダのアリアを歌ってください。」
というわけで、無事(???)出演決定!
私の歌の先生もびっくり&大喜び。
しかし、それからコンサートまで毎回ちょ~厳しいレッスンが待っていました{/ase/}
いよいよコンサート当日。
午前中にオーケストラとの通し練習があり、私は極度に緊張してカチコチで歌ったにも関わらず、他の出演者のソプラノのSとAが、
「幸子って全然緊張しないのねぇ~。だって全然表情も変えずに歌ってたじゃない?」
いやいや、緊張で顔がこわばってたんです{/ase/}
そしてさらに、
「幸子はいいわよねぇ、眉毛と目の間が平らで。私たちって目の周りの彫りが深いから、スポットライトが当たると陰になっちゃうから前が見えにくくなるのよねぇ。」
ど~せ私の顔に彫りなんてありませんよ。平べったい顔ですよぉ~だ!
(関係ない話ですが、2年生の時、同級生(もちろんドイツ人)に「え~、幸子ってコンタクトレンズ使ってるの?そんな小さな目にコンタクトレンズ入るの???それとも特別なコンタクトレンズなの???」と真剣に聞かれたことがあります(爆)。)
そしてコンサート開演!
私の出番は最後から2番目。
前の年、パリ旅行に行ったときに、ラファイエット(パリのデパート)のバーゲンでゲットしたワインレッドのドレスとシルバーのストール(=計5000円くらいでした)に着替え、メイクで目元に似非の彫りを作り(爆)、いざ舞台へ。
が、しかしこれまた極度の緊張+ヒールの裏にゴムを貼ってなかったので舞台上ですべりまくり何度もこけそうになり、前かがみで、さらに右手右足、左手左足が一緒になってガチガチで歌う位置へ。
{/hiyo_oro/}
なんとか歌い終えて(かなり力任せに歌ったことは覚えていますが、それ以外はとにかく緊張した思い出しかないです)、コンサートの最後に出演者みんなでもう一度舞台へあがり、花束を頂いて、コンサート終了。
オットには、
「なんじゃあの出方は!もっと堂々として舞台に出てこないとみっともない。あれじゃお客さんは「この人、ほんとに歌えるの?」って心配になるよ。」
と、叱られ・・・・・
とほほ。
でも私の歌の先生はレッスン中は鬼のように怖いですが、レッスン以外のときは本当におかあさんのようにやさしい先生なので、コンサートの後、私が楽屋から出てきたら一番に抱きしめてくれました。
何事も経験です!

出演者5人
(ちなみに左から2番目の男性は、私のブログにもよく登場するベルリン国立歌劇場の専属バス歌手のアンドレアスです)