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2010/06/29//Tue * 22:27
魔笛日記11

38日目
初日2日前。
GP(Generalprobe=完全に本番どおりの条件でのリハーサル。途中で止めたりせず、本番どおりやる)の翌日が初日なら集中力や緊張感も続くのでよかったが、残念ながらGPから2日あいてしまう。
要するに2日間フリーとなる。

殆どのお仲間はここから1時間ほどで家に帰れるので、昨日のGP後、夜中に家に帰っていった。
私以外の家が遠い居残り組は、昨晩のGPの後、車でノルトハウゼンに行き、劇場のパーティーに参加して夜中じゅう踊っていたそうな。

またこの日の夜は、サッカーがドイツ対ガーナ戦だったので、もちろんドイツ人が集まる酒場(?)で観戦したそうな。
本当にタフだぁ。

私は一度スーパーに買い物には出かけたが、結局部屋でずっと過ごした・・・・
(コアリズムはやったけど)


39日目
初日前日。フリー。
ヒマだぁ。
朝食後、個人練習のため、音楽学校に行くと鍵が閉まっていては入れなかった・・・・・
なので少し散歩して買い物をして部屋に戻った。

ホテルの駐車場でタミーノ役のMとパパゲーナ役のVに会う。
なんと湖に泳ぎに行くらしい・・・・
ほんまにタフだぁ。
っていうか、風邪ひいたらどうするんだろうか???
まぁでもV曰く、いつもスポーツをして鍛えているので今まで風邪をひいたことなどないのだそうだ。

ホテルの部屋にはもちろんピアノやキーボードなどは無いが、とりあえず練習した。

夜は一人寂しく日本対デンマーク戦を観戦。
祝・日本勝利!

Vたちは、湖で泳いだ後、再びノルトハウゼンに行き、劇場のコンサートを聴きに行ったようだ。


40日目
ついに初日!!!
しっかり寝て、遅めの朝食。

公演初日には、出演者やスタッフ、演出家などオペラに関わった仲間の間でプレゼントをするPremiere-Geschenkという行事(?)があり、楽屋の各出演者の席などにプレゼントを置いておいたり、直接渡したりするのだが、このプレゼント準備でかなり時間がかかり、おまけに用意していたプレゼントの数だと足りないことが判明。いそいで補充のために買い物へ。

プレゼントを作成しながら、炊き込みご飯を炊き、炊き上がったらおにぎりにして、プレゼントとおにぎりを持ってお城へ。

早めに行ってプレゼント配り(置き)をしようといつもより1時間も早めに楽屋入りしたが、すでにプレゼントでいっぱい!
一通り配り終えて、声だしをし、メイクの時間になったのでメイクさんのところへ。
衣装さんに衣装を着せてもらって、開演30分前。
今度はこれまた初日ならではの行事で、出演者がお互いの成功を祈って、Toi Toi Toiと言い合う。

20時、初日開演!
あがらないおまじないをして、夜の女王登場のアリア。
2010 06.25-1
やはり緊張したが、適度な緊張感でいつもどおり冷静に歌えた。

長い休憩中に腹ごしらえに持参したおにぎりとりんごを食べる。
すると、3人の侍女たち+娘・パミーナもおにぎりが食べたいというので、おすそ分け。
衣装を着け、舞台メイクばっちりのドイツ人歌手たちがおにぎりを食べる様子はかなり面白かった(爆)。

そして休憩が終わり、いよいよドイツ語の台詞&夜の女王のアリア『復讐の炎は・・・』のシーン。
2010 06.25-2
これまたかなり緊張したが、いつも通り台詞をしゃべり、アリアを歌うことができた。
やはり稽古の賜物だわ。

ものすごい集中力で歌ったことと、やっと夜の女王デビューできたこと感慨深く、その後楽屋でちょっと放心状態だったが、再び残りのおにぎりを食べ、最後のシーンに挑んだ。

最後はモノスタトスと3人の侍女と夜の女王のアンサンブルで、今回の演出では、なんと夜の女王はザラストロにナイフで刺されて死んでしまうという演出。
なので私、毎回最後は刺されてバタンと倒れるので、足にサポーターをつけて怪我しないように死んでいかねばならず・・・・・・
悪役は最後は死んじゃうのねぇ~。
ザラストロ役のA(身長195cm)は、いつも半笑いで刺してくるので、結構怖い(爆)!

死んだまま、舞台の上で最後の大合唱となり幕。
そしてカーテンコール!
割れんばかりの拍手喝采で、これまでの大変だったことや辛かったことなど一気に吹っ飛んだ。
こうして無事初日を終えた。

公演後、初日のお祝いパーティー。
翌日も公演があるので、ぐっとお酒は我慢してお仲間達とジュースで乾杯した。
夜中2時くらいまでお祝いパーティーは続き、くたくたになりながらお仲間達とホテルへ帰った。
しかし、元気なお仲間達は、ホテルに帰っても呑み続けていた・・・・・。
わたしゃ寝ますよと部屋に帰ったが、アドレナリンが出ているのかぜんぜん眠れず・・・・
結局4時ごろやっと眠れた。

つづく・・・・


2010/06/26//Sat * 14:11
魔笛日記10

36日目
20時よりHP(Hauptprobe=オーケストラ伴奏による通し舞台稽古)なので、70分前にメイクさんのところでメイクと髪をセットしてもらい、衣装さんのところで衣装をつける。
そして20時、HPスタート!

休憩のときに、オーケストラのクラリネット奏者Kさんから、HPを観に来ていたノルトハウゼン歌劇場の日本人バレリーナさんを紹介され、はじめましてのご挨拶+おしゃべり。
この日は自分のためにハンディーカムを客席に置きっぱなしでHPを録画していたので、オペラ後半の私が歌うシーンの録画をバレリーナさんにお願いした。

この日は本当に寒くてなんと気温10度で野外ステージは厳しかったが、なんとか無事終了。
寒い中、ハンディーカムで撮影してくれてありがとうでした、バレリーナさん!

ホテルに帰ったのが夜中の一時前・・・・
つかれたぁ~


37日目
ついに今日はGP(Generalprobe=完全に本番どおりの条件でのリハーサル。途中で止めたりせず、本番どおりやる)。
なのでしっかり寝ておきたいと思い、ホテルの掃除が入ってこないようにドアに札も出して、カーテン閉めて寝たので、なんと起きたのが11時半。

部屋でご飯を炊いたりしていると、パパゲーナ役のVが『さちこ~ Bad FrankenhausenにあるPanorama Museumに行かない?』と誘ってくれた。
15時にホテルを出て車で30分ほどで到着。

2010 06.22-2

丸い建物の中に、丸い全景画が長さ123メートル、高さ14メートルものパノラマにWerner TübkeというDDR(旧東ドイツ)時代に活躍した画家の、16世紀のドイツ農民戦争をテーマとした絵があり、あまりの迫力に圧倒された。
(その絵はこちらのPDFでどうぞ↓)
http://www.panorama-museum.de/Panoramagemalde.pdf
ちょうど私達が入館したときに、ガイドさんの話が始まって、いろいろ絵についてやDDR時代の話など聞くことができた。また、ガイドが終わった後に、私の素朴な質問にも答えてくれて、本当に親切な面白いガイドさんだった。

帰りにスーパーに寄ってからホテルに戻り、急いでおにぎりを作る。
そして19時にメイクさんにメイクと髪をセットしてもらう。 
前日ハンディーカムで撮った映像を見て、自分の顔のデカさがショックだったので、出来るだけ影をつけて子顔メイクにして欲しいと頼む(爆)。
そして、衣装を着けて、準備完了。

20時GP開始。
が、しかし開演直前に、ノルトハウゼン歌劇場総支配人から、歌劇場専属歌手でザラストロ役のAが風邪で今日は歌えないと、きかされる。
みんな困惑・・・・
それでもGPは始まる。
テレビ局もきているし、GPだし、緊張感ただよいまくる。

いよいよ夜の女王登場のアリアのシーン。
あがらないおまじないをして、舞台に上がる。
いつもどおり歌って演じた。

休憩の間に楽屋で持参したおにぎりを食べ、また、私の娘=パミーナ役のSや、パパゲーナ役のVにもわけてあげた。

そして台詞と夜の女王のアリア『復讐の炎は・・・』のシーン。
出る直前にSと台詞の確認をし、舞台へ。
このシーンも無事終了。

最後のアンサンブルのシーンを終え、ラストの大合唱シーンとなり、幕。
これであとは初日を迎えるだけ。
着替えてメイクを落として、ホテルに帰った。

これで、長い長い稽古が終わり、いよいよ初日を迎える!

夜の女王のアリアは、何度歌っても極度に緊張するし、リスクの多い難曲。
特に『復讐の炎は・・・』は、実際きっちり歌えるようになったのが2年前ぐらいからで、今回ノルトハウゼン歌劇場のオーディションでこの役をもらえて、やっと舞台で夜の女王を演じ歌えることが本当に嬉しかった。
そしてこの長い長い稽古の期間に、夜の女王のアリアを歌うことを、声楽のテクニック的にも精神的にもかなり鍛えられたと思う。
とにかくどんな状況でもノドに負担無く、体でテクニックで歌うことをかなり体に覚えこむことができた。
大好きなお酒も飲まず、せっかく仲良くなった愉快なお仲間達と遊んだり語りあったりもほとんどできず、ただただ健康管理に注意して、ずっとホテル暮らしで退屈な毎日だったが、声楽的に得たものは大きかった。


つづく・・・・


2010/06/24//Thu * 20:28
魔笛日記9

29日目
午前中、初めてコインランドリーで洗濯してみた。
洗濯と乾燥で3時間以上かかった(汗)ので、途中で稽古の時間になり、しょうがなくそのまま稽古に行った。

稽古に行ってみると、侍女1役のMがいない。
パパゲーノ役のFに聞いてみると、なんと再び風邪で休みらしい。
稽古3日目にして風邪で10日間休み、そのあとの稽古でもいつも抜いて歌っていてたのだが、今回再び稽古が休みだった日曜日に風邪をひき、今日から3日間稽古を休むと届けたらしい。

稽古の後、急いでコインランドリーに行くと、乾燥が終わっていたので洗濯物を取り出すと、まだ湿っていた・・・・・  半乾き状態。 なので自分の部屋に紐を張って干した。
なんとそこにパミーナ役のSと侍女2役のAが部屋に尋ねてきた(汗)。すんごい状態の部屋で恥ずかしかったが、しょうがない・・・・
そして2人から、侍女1役のMが歌劇場の総支配人から解雇され、代わりに、急遽指揮者Fさんの奥さんで、これまでに侍女1役を歌ったことがあるソプラノ歌手のEさんが歌うことになったと知らされる。
シビアな世界だなぁ。

前日のコンサートの様子が新聞に載った。
2010 06.14


30日目
10時からオーケストラとのあわせ。
結局13時半まで待って、夜の女王のアリア『復讐の炎は・・』は、もうすでにコンサートでオーケストラと2度歌っているのでなしとなり、登場のアリアのみ合わせる。
とにかく待ち時間が長い・・・・・

16時から野外ステージでの通し稽古。
今日から参加の侍女1役のEさん、いきなり通し稽古で大変なのに、すんなり侍女1役をこなしていた。尊敬!

稽古の後、タミーノ役のMの部屋でサッカー観戦。
疲れていたので前半だけ観て、自分の部屋に戻った。


31日目
9時45分から昨日の通し稽古のダメだしと、舞台へ出るタイミングの説明。
その後、再び通し稽古。

20時より本番同様に衣装を着けての通し稽古なので、18時にメイクさんに舞台用のメイクをしてもらい、衣装を着ける。

そして20時、KHP(Klavier Hauptprobe=ピアノ伴奏による通し舞台稽古。本番での進行に従って音楽・演技・テクニカルを本番のタイミングで機能するかどうかの確認・調整し、途中で止めたり、やり直したりすることもある)開始。

KHPが終わったのが夜の11時半、着替えたり、メイクを落としたりした後、さらに演出家から注意点・反省点などきき、ホテルに着いたのが夜中の12時半・・・・
つかれたぁ。


32日目
午前中はお休みで、夕方6時から一回目のBO(Bühnenorchesterprobe=オーケストラ伴奏による本舞台上での演出稽古)。
やはりオーケストラと歌うのは気持ちがいい~! 演技するのも楽しくなる。


33日目
10時から二度目のBO。
夜の女王登場のアリアのシーンのあと、指揮者のFさんが『今日までずっと稽古で歌いっぱなしだったし、オーケストラとのコンサートも2度あったし、とにかくずっと歌ってばかりだったから、声を休めたほうがいい。今からHP(Hauptprobe=オーケストラ伴奏による衣装を着けて、本番どおりの通し舞台稽古)の日まで、ベルリンに帰っていいよ。きみが歌うシーンは何も問題ないから、安心してノド休めしてリフレッシュしておいで。』と、思いがけずお休みをくれた。
なので、三度目と四度目のBOに参加しなくてもよくなったので、急いでホテルに戻り、荷造りして電車でベルリンへ帰った。


つづく・・・・


2010/06/19//Sat * 21:24
魔笛日記8

25日目
朝10時から予定通り(笑)1幕の通し稽古開始。
お仲間達、昨日のグリルの後、夜中の1時まで飲んで喋っていたとは思えないくらい元気だったが、さすがに声はつかれているようで、抜いて歌っていた。
でもほんまにタフやなぁ。。。。。

午後の稽古がナシとなり、久々に部屋でゆっくり過ごす。
が、他のお仲間達は、前日あれだけ飲んで食べて遅くまで騒いだにもかかわらず、お天気がいいので湖に泳ぎに行った。
ほんまのほんまにタフすぎる。。。。
っていうか、ここに水着持参で来てたのね(驚)!

夜にノルトハウゼン歌劇場のHさんから電話がかかってきて、『先週の日曜日のゾンダースハウゼンでのコンサートで、あなたの歌を聴いてとてもよかったので、3日後の歌劇場のオーケストラとのコンサートでも夜の女王のアリアを歌ってくれませんか。』とのこと。
これまたオープンエアコンサートだそうで、天気が心配・・・・
天気予報によると、週末はまた気温が下がって20度以下になるらしい。


26日目
今日からいよいよ野外ステージでの稽古開始。
が、しかし・・・・・
いきなり雨が降ってきた(涙)。
寒いし、雨降るし、最悪!!!
おまけに夜の女王が登場するお立ち台(?)がまだ出来てなくて、客席から私の顔しか見えず・・・・・
夜の女王登場のシーンの稽古はナシとなる。

再び夜の8時から稽古。
雨も上がり、今度はアリア『復讐の炎は・・・』のシーン。
アリアの前の台詞のシーンで、パミーナ役のSが夜の女王のところに勢いよく走ってきたときに、雨で湿った舞台で滑って転倒し、尻餅をついただけならよかったのだが、手のひらをかなり深く切ってしまった。
手当てをして、すぐに続行。
今度は、私がアリアを歌い終わって舞台からはける際に、舞台中央のプール(といっても水深10cmほどだが・・・・)に落ちそうになり、もう少しで服がびちょびちょになるところだった(汗)。
気を引き締めて、気をつけてやらねば!


27日目
朝10時から野外ステージでの稽古。
が、しかし、この日も雨・・・・
一瞬雨が上がったときに、稽古再開。
しかし、夜の女王登場のアリアが終わったら、雨が降り出し、再び中断。
結局、ステージでも稽古をあきらめ、指揮者との音楽稽古となる。
音楽稽古の後、台詞の稽古。
唯一の外国人(ドイツ語が母国語でない)歌手の私に、指揮者のFさんが、夜の女王の台詞(ドイツ語)を丁寧に細かく音楽的に指導してくれた。
『これから先の人生で、君はこの台詞を何度もしゃべることになるのだから、今回のプロジェクトで徹底的にやって完璧にしておくのがいいよ。』とFさん。
感謝感謝だった。

稽古の後、お昼にお仲間達とお城のレストランでビュッフェ式のランチ。
ここのレストランのコックはドイツで一番若いスターコック(Sterne-Koch)らしい。
確かに結構美味しかった。
それも今回のオペラ参加者はこのランチビュッフェを、毎日日替わりメニューで7.5ユーロで食べれるのでお得かも。


28日目
ノルトハウゼン歌劇場のHさんの車でコンサート会場へ。
歌劇場の横の広場に仮設ステージが立ち、天気もいいし、でも先週ほどは暑くなくほどよい涼しさ。

この日のコンサートのソリストで、歌劇場専属歌手のソプラノRさんとバリトンのTさんとはじめましてのご挨拶、そのあと指揮者のSさんとテンポの確認などをして、着替えて、15時開演。
2010 06.13-1


夜の女王のアリア『復讐の炎は地獄のようにわが心に燃え』のちょうどコロラトゥーラの部分を歌っている途中に、目に虫が飛んできてびっくりしてしまったが、無事歌えたのでよかった。
2010 06.13-2 ちょうど目に虫が飛んできた瞬間(笑)

コンサートの後、オーケストラのクラリネット奏者Kさんと少しお話し、そこにHさん、更にオーケストラの団員の方も加わり、楽しくおしゃべり。
その後再びHさんの車でホテルに帰った。


つづく・・・


2010/06/12//Sat * 19:51
魔笛日記7

22日目
お昼に夜の女王の登場のアリアの稽古。
一通り確認して終了。

再び夕方から、今度は夜の女王のアリア『復讐の炎は地獄のようにわが心に燃え』とアリア直前の台詞の稽古。
前回言われたとおりやったつもりだったのに、前回のほうがよかったといわれ・・・・・
さらにアリアを歌うときはもっともっと極力動くなと言われ、私も本当は人間なので歌うときは色々筋肉が動いたり、息が入ったり出たりして肺も動くので、これ以上どうしろって・・・・

前回の稽古で台詞を叫んで喋らされたり、アリアを無理なポーズで歌わされたため体を使って歌えず、ノドがイガイガ痛くなったので、もうこれ以上無茶をしたくない。
なので、もう一度やらされたときも、先程と同じように台詞をしゃべり、アリアを歌った。
すると、なにが違うのかよくわからないが、『そう!それだ!』と演出家。
そして『最初っからそうやって歌ってくれよ。』って・・・・
私にとっては、1回目も2回目もまったく同じように台詞を言い、アリアを歌ったんですけど。
あぁもぉ、よぉわからんわ。

アリアの稽古の後、すぐにアンサンブルを指揮者と音楽稽古。

つかれたぁ・・・・・・


23日目
朝10時から一幕の通し稽古。
が、しかしこの日の稽古の計画表のタイムテーブルを読み違えて自分は10時半からだと勘違いしたFとS。
彼らが来るまで待って結局10時半スタート。
夜の女王登場のアリアまで結構待って、歌い終わってもまた待って・・・・・
とにかく待ち時間が長い。

とりあえず一幕終了。
休憩後、1幕のダメだしをして、再び一幕の稽古。

そして14時稽古終了。
待ってるだけで疲れたぁ。

夕方、前回演出家とAの討論で終わったシーンの稽古。
今回は最初に演出家のコンセプトを聞いて、それでも少し討論したのち、稽古開始。
正直私は???と思うところがあって、私が思っている同じ事を指揮者も言っていた。
そのことは初日が終わったら書こうと思う。
今はまだ演出も衣装も舞台装置も秘密厳守なので。(たぶん)


24日目
朝10時から2幕の通し稽古。
またまた『復讐の炎は・・・』のアリアのシーン。
アリアの途中で後ろに移動した際に、足元の木製台がぐらっとなり、こけそうになる。

夕方再びラストのシーンの稽古。
倒れるシーンがあってひざを打つと危ないので、膝当てをつけた。
衣装をつければドレスなので見えないが、かなりダサい格好だぁ。

稽古の後、稽古場の中庭で恒例(?)のグリルパーティ。
私はおにぎりを作って持っていった。
おにぎり大好きのドイツ人なんて、私の親友=カトリンだけだろう(笑)と思い、余ってもしょうがないので、沢山作らなかったが、あっという間になくなってしまった。
食べれなかった人もいたので、もっと作ればよかったと後悔。

2010 06.09-1 モノスタトス役のアントンと歌劇場合唱員のマーヴィン

2010 06.09-02 侍女3役のリズと私の娘=スザンネ(パミーナ役)

1時間ほどで、おばちゃんの私は稽古でかなり疲れていたし、翌日も10時から稽古があるので早めに帰った。

しかし他のお仲間たちはなんと夜中の一時まで、すごい量のステーキやソーセージを食べつくし、ビールにワインにと飲みまくり、タバコも吸うしで、一体どんだけタフなんでしょう。
恐ろしや、ドイツ人。
体格も体力も、とてもとてもかなわないと改めて思う・・・・

そんなお仲間たちの中にも、自分の体調やノドのことに気を使って、グリルに参加しなかった歌手もいたし、私のように早めに帰る歌手もいたけれど。

つづく・・・・・


2010/06/11//Fri * 00:11
魔笛日記6

18日目
稽古はなく、オフ日。

ほぼ毎日、ホテルの部屋でミニ炊飯器で米を炊き、炊き込みご飯の素を混ぜて食べたり、カレー・中華丼・牛丼・ハヤシライスなどのレトルトと食べたり、保温ができない炊飯器なので残ったご飯はおにぎりにしておいたり、とかなり寂しい生活を送っている。

外食をしようと思っても、この田舎にレストランもほとんどなく、中華料理屋もない。
それにドイツ料理やピザなどは正直毎日食べるのはキツイので、結局野菜をスーパーで買って、自分で米を炊き、サラダを食べるしかない・・・・ 
それでも、ときにはがっつりお肉を食べたいときもあり、そんなときはお肉屋さんでお昼に食べれるお肉料理のメニューを食べたりしている。

日本のように、ドイツにもコンビニや定食屋、お弁当屋さんとかあればなぁ、なんて。
お魚たべたぁ~い! お刺身たべたぁ~い!

また、おばちゃんの私は、お仲間歌手たちのように毎日飲みにいったりする元気もないし、稽古で疲れたノドを遅くまで騒いでさらに疲れさせるわけにはいかない。
風邪でもひいたら最後、絶対にこの夜の女王のアリアは歌えないので、とにかく健康管理に気を使う毎日。(と、いってもそんなに過敏にノドをいたわったりしているわけではないけれど。)

でも、ずっと部屋にこもりっきりなのも不健康だし、体力維持もしにくい。
天気のいい日は散歩に行ったりできるが、雨の日や日中でも10度なんて日も多かったので散歩もほとんど出来ず・・・・
そこで考えたのが、今更だけど、お部屋で『コアリズム!』
今いる部屋はわりと広いので余裕でコアリズムが出来る(爆)。
汗もかくし、結構いい運動になる!!

それにしても、くらぁ~い地味な生活だなぁ、私。


この日の夜に再び、16日の続きで、ノルトハウゼン歌劇場総支配人によるドイツで劇場と契約する際の決まりや法律の面からの注意、保険のことなど講義。


19日目
朝10時より、9日目にやった夜の女王のアリア『復讐の炎は地獄のようにわが心に燃え』の稽古のつづき。
9日目とはちがって、なんとか彫像風(爆)もわりと出来るようになり、アリアの最後まで演出完了。
しかし、稽古終了後、なんかノドが少しイガイガしてるような・・・・・
やばいやばい、気をつけねば。


20日目
オフ日。

ゆっくりパソコンでもと思ったら、いきなりネットがつながらない(涙)。
何をやってもつながらず・・・・・・
わざわざHotspotにお金を払って部屋でネットが出来るようにしたのに、どういうこと???
ホテルのフロントに言いに行ったが、『私はコンピューターのことはわからない。でも、ここの上にパソコンが使える部屋があるからそこでやって。』と、おばちゃんに言われ・・・・
仕方なく、ノートパソコン持参でその部屋に行くと、同じホテルに宿泊中の女性がノートパソコンを使っていた。
その人と話したところ、Hotspotはトラブルが多いらしく、面倒だかこうやってここにパソコンを持ってきてつなぐほうがいいよ、と教えてくれた。
とりあえずメールチェックを済ませ、自分の部屋に戻る。

未だにつながらないHotspot・・・・ 
お金返せ~~~~~~


21日目
お昼に、きっとまだネットはつながらないと思って、メールチェックのため、昨日同様再びホテルのフロントの上までパソコンを持って行こうと用意しているときに、ちょっとつながるかなと試したら・・・・・
つながった!!!
あぁ、よかったぁ。。。。
しかし、自分がこんなにネットに依存しているなんて・・・・・
ある意味怖い。

夕方、オーケストラとのコンサートの為、会場へ。
これまでずっと寒くて日中でも12度なんて日が続いていたのに、ここ2・3日で一気に夏となり、この日はなんと気温30度!
この日はオープンエアコンサートなので、絶好のコンサート日和。
とはいっても、黒い分厚いドレスを着なきゃいけない私にとっては、まさに地獄のような暑さ・・・・
ノドが乾くし、暑いし、あぁもう化粧がぁ。。。。

このコンサートでも、夜の女王のアリア『復讐の炎は地獄のようにわが心に燃え』を歌う。
歌っている最中に風がぴゅ~とふいてきて一瞬咳がでそうになり、一部伸ばしきれなかった部分があったが、なんとか歌いきった。
2010 06.06-12

コンサートの後、ノルトハウゼン歌劇場管弦楽団(LOHオーケストラ)の主席クラリネット奏者Kさん一家と、軽く打ち上げ。
久々の日本語で会話もはずみ、楽しい時間をすごす。

つづく・・・・


2010/06/07//Mon * 21:25
魔笛日記5

15日目
お昼に、夜の女王登場のアリアのシーンの稽古。
前回(3日目)にやった演出は変更となり、登場のシーンは、高いところに現れてアリアが終わるとその場でまた消えるだけとなった。
これまた超・彫像チック(?)にやらねばならない。
でも、台詞もないので歌う直前に叫ばなくていいし、怒ってはいないので(爆)、歌(音楽)だけで十分表現できた。

16日目
夕方に昨日の続きで登場のアリア。
とりあえず、完了。

夜は、ノルトハウゼン歌劇場総支配人によるドイツで劇場と契約する際の決まりや法律の面からの注意、保険のことなど重要な内容の講義だった。
難しい内容だったが、とても為になった!!

17日目
10時から、日曜日にあるコンサートのオーケストラとのリハーサル。

sdh14パパゲーナ(=ヴェロニカ)とパパゲーノ(=フロリアン)のデュエット  

sdh15モノスタトス(=アントン)のアリア

sdh16  sdh17夜の女王(=私)のアリア

朝の10時から、いきなり夜の女王のアリア『復讐の炎は地獄のようにわが心に燃え』を歌うのはきつかったが、一回通して歌っただけで終了。

夕方、3人の侍女+モノスタトス+夜の女王の稽古。
演出家とテノールAとの演出に対する討論で終了・・・・・
討論するなら個人的に稽古の時間外でお願いしたい。

つづく・・・・


2010/06/06//Sun * 10:56
魔笛日記4

9日目
ベルリンの歌の師匠の誕生日。
なのに昨日だと勘違いしていて、昨日におめでとうSMSを送ってしまった・・・・ 
師匠の愛弟子BからSMSで『師匠の誕生日は今日ですよ~』という知らせを受けなかったらずっと勘違いしたままだった。
ありがとうB!
ちなみに、もう一度改めて師匠におめでとうSMSを送ったらすぐに返事が来た(汗)。

お昼に、いよいよ夜の女王の有名なほうのアリア『復讐の炎は地獄のようにわが心に燃え』の稽古。
まずはアリアを歌う直前のパミーナ(夜の女王の娘)との長い台詞の確認。
今回のオペラの出演者は、ここはドイツなので当たり前だが、私を除いてほとんどがドイツ語を母国語とする歌手ばかりなので、私のドイツ語の台詞の確認が必要なのだ。
(要するに私だけここでは外国人なので。)
色々直されるのを覚悟でやってみたが、ほとんど問題ないらしい。ほっ!
なので、そのまま演技の稽古に突入。

今回、演出家の夜の女王に対する設定が、彫像というか立像なので、台詞をしゃべるときも、歌を歌うときも、極力動かず、ひたすら胸を張り、歩くときも高いヒールを履いているが、肩を動かさずに床と平行に歩き、そして表情(特に目)だけでものすごい怒りを表現してほしいと演出家からの要求で、かなり困惑。
どうも私は人間っぽい(?)らしい・・・・

その上、手にかなり重いナイフを持っていて、そこにパミーナが何度も夜の女王のそばに寄ってくるので、そのたびにナイフを持った手ですごい勢いで振り払わなければならず、正直怪我でもさせたらどうしようと心配になり、ふとお人よしな表情になってしまったりと、人間じゃない人(?)の役の難しさを知る(笑)。

さらに、このアリアを歌うのは本当にテクニックと集中力が必要で、早いテンポの中で、沢山のテクニックを駆使して、繊細なバランスでもって歌わなければならないのに、このアリアの直前の長い台詞を、すでにパミーナ役のSよりもかなり大声で、それもお腹の筋肉を使ってはっきりとしゃべっているのに、さらにもっと大声を張り上げて叫んでしゃべれとまで言われ、本気でノドが心配になる。

結局、あいまいなまま、アリア途中で時間となり、稽古終了。

夜、オットに愚痴電話をすると、『プロなんだから、無茶を言われてもうまくやるしかない。どんな状況でも自分のクオリティーを保てなければダメ!』と、叱られる・・・・

10日目
午前中、Sと劇場の送迎バスで、ノルトハウゼン歌劇場へ衣装合わせに行く。
ここもやはりカーブが多く、2人ともバスで酔う・・・・

仮縫い中の衣装をさっそく衣装室で衣装さんに着せてもらう。
Sの衣装も素敵だったが、私の『夜の女王』の衣装もかなり素敵で、わくわく~
ウエストや胴回りなど息を吸ったときのことを考えて微調整してもらい、30分ほどで終了。
再びバスでゾンダースハウゼンへ。

つづく・・・


番外編
オペラ『魔笛』のお仲間紹介!
sdh12

高僧ザラストロ Abraham Singer
夜の女王 Sachiko Kawashima
王子タミーノ Joshua Farrier / Manuel Günther
夜の女王の娘パミーナ Susanne Langbein
鳥刺しパパゲーノ Florian Götz
老女 / パパゲーナ Veronika Arnold
侍女1 Melanie Horner
侍女2 Anna Buschbeck
侍女3 Lis Dorlöchter
弁者 / 第2の鎧を着た男 / 僧侶1 Tim Klaski
モノスタトス Anton Leiß-Huber
僧侶2 / 第一の鎧を着た男 Johannes Lehner
三人の童子 Solisten des Knabenchores (Chorakademie Dortmund)



2010/06/01//Tue * 22:00
魔笛日記3

5日目
午前中のうちに個人練習をしようと音楽学校へ。
が、しかし・・・・・
週末は閉まっているらしく、建物に入れず練習断念。
お天気がめずらしくよかったので、音楽学校のそばのお城やお庭などをお散歩してみる。
sdh5   sdh6

sdh7   sdh8


午後は、翌日のオペラ『魔笛』の公演宣伝コンサート(?)の為、ピアニストとリハーサル。
私はコンサートで夜の女王のアリア『復讐の炎は地獄のようにわが心に燃え』を歌うことになっており、リハーサルもすぐに終わったが、他のソリストたちはErste Dame(侍女1)のメラニーが風邪をひき療養のため実家に帰ってしまったので、パミーナ役のスザンネがパミーナのアリアと、急遽侍女1役を歌うことになり・・・・
それに、翌日のコンサートは19時半からと21時からの2回公演でバスで移動もしなきゃいけないので、ちょと大変~

ドイツも冷春(?)なので、毎日寒く、最高気温が8度なんて日もあり、いまだに冬のコートを着ている。体調管理が大変!


6日目
なんと、本日メラニーの代わりに侍女1を歌う予定だったパミーナ役のスザンネがノドの痛みのためコンサートをキャンセル・・・・・
なので侍女3人のアンサンブルは出来なくなり、さらにパミーナのアリアも。
で、急遽、侍女2役のアンナがモーツァルトのオペラ『フィガロの結婚』のケルビーノのアリア、侍女3役のリスがモーツァルトのオペラ『ポントの王のミトリダーテ』のフェルナーチェのアリア、さらにパパゲーナ役のヴェロニカがパミーナとパパゲーノのデュエットを歌うことになり、パニック!!

開演一時間前の18時半にバスで現地へ移動。
道がカーブが多く、30分ほどで現地に着いたが、車に酔う・・・・・

着替えたら、すぐに開演時間となり、あっという間に1回目のコンサート終了。
そして再びバスに揺られ、ゾンダースハウゼンに戻り、21時から再びお城のサロンでコンサート。

sdh10 白いピアノ!

自分では身長164cmってのは小さくはないと思っていたが、こうやって他の歌手と並ぶと私が一番背が低いということに気がついた・・・・
sdh9

突然のキャンセルに、バスでの移動、連続2回コンサートといろんな意味で大変だったが、無事2回のコンサートを終えることができて、よかったよかった。

若い(?)歌手たちはコンサートの後、お城のビヤガーデンで遅くまで飲んでいたそうだが、私はコンサートが終わったらすぐにホテルに帰った。おばちゃんは疲れたよぉ、時差ぼけと車酔いで・・・・・。

つづく・・・・

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